現代医療の現状での効果的な補完医療とその進め方とは何か?
今回は、健康増進クリニック院長 水上治先生を取材させていただきました。
水上先生は患者さんに、「標準治療で絶望的だとしても、身体に優しい自然療法で、自分にピッタリ合う治療法を一緒に探しましょう」と勧められ、現代医学の治療のみに頼るのではなく、エビデンスを重視した、様々な代替療法を取り入れ組み合わせることにより、回復へと導いておられます。
様々な療法の効果を説かれておられる水上先生から、詳しくいろいろなお話を伺うことができました。2時間近い取材の中からごく一部ですが、ご紹介させていただきます。
坂井:今日はどうぞよろしくお願いいたします。まずはじめに、先生としましては、ガンの方にどういうことを知ってもらったら良いとお考えでしょうか。
水上先生:標準治療以外にも補完医療がたくさんありますよと言いたいです。 患者さんは、大病院、大学病院に行って、最先端の治療をなさろうとする方が大半です。そうすると、当然、西洋医学だけです。現実には、早期で見つかる方は僅かですから、自覚症状が出てから皆さんいらっしゃるので、何故もっと早く来ないのかって、叱られたりするのです。進行ガンは西洋医学だけでは治りません。殆どが延命治療で、効果が無い場合も抗ガン剤が乱用されているなど、いろんな問題が日本のガン医療界にはあるのです。
坂井:ガンが治らない方というのは、先生が今までに働いていた所で、そういう方を何人も見てきたのですか。
水上先生:ガンの患者さんというのは、大病院に行けば、進行ガンだけど何とか治してくれるのではないかと、期待して通院し、入院しているわけです。
例えば、大腸ガンが肺に転移したとき、全身に飛び散っているわけでしょ。局所に限定していれば、手術で抉り取るとか、放射線でたたくと言うことはやりますけれども、全身にガン細胞が血液とかリンパ液を介して、飛び散っている場合は抗ガン剤しかないわけです。
しかしながら、殆どの場合は現実的に、飛び散っているガン細胞を抗ガン剤で完全に0にできないのです。私はいつも患者さんに言いますけれども、抗ガン剤で、あなたのあらゆるガン細胞を0に減らすことは可能です。しかし、毒でもありますから、ずっと前にあなたが消えちゃいます。だから、医者は、殺すほどの毒を盛るわけにはいきません。
抗ガン剤では全体のガン細胞の半分ぐらいは殺せるかもしれないけれども、半分ぐらいは残るというのが現実です。
患者さんは不安でいっぱいで、医者からある程度は効きますよって説明を受ければ頼ってしまう。しかしその時に、厳しいことは考えたくないから治してくれるだろうと、思い込みたいわけです。現実直視には耐えられないから、よそ見をして、気持ちをそらしてしまう。また、医者もはっきり言わないわけです。その医者の心理もわかりますが。
坂井:それは、ガンを診て、はっきり言わないっていうことですか?
水上先生:ステージ4で飛び散っているガンだから、抗ガン剤しかありませんよね。しかし、抗ガン剤をやったって必ずしも延命の証拠もないし、絶対治りませんよと言うのは酷だから言えないわけです。どんな冷たそうな医者だって人間だし、優しい気持ちもあると思うのです。
アメリカ式だと、一切隠さないで、100%告知して、多くの場合は余命告知もするのです。僕はこういう医療は良いとは思いません。医者は神様でも無いのに、その人がいつまで生きるかと正確に当てることはできない。
あくまで、平均値。あるいは、どうしても言ってくれと言われれば、自分の今までの体験では、このぐらいのガンの状態だと、これぐらいの余命でしょうかねっと言うぐらいは、言っても良いかも知れません。
しかし、アメリカ式だと、リクエストもされないのに、ズバっと言って、絶望の淵に追い込んで、下手すると自殺してしまう様な場合もあります。
ただ、アメリカでは多くのガンセンタ一のように、カウンセラーが居て、告知後のケアも含めて告知をするのです。
日本では3分診療、せいぜい10分診療の中で、望んでもいないのに「あなたはステージ4の肺ガンです」「余命は3ケ月です」と、どうして言う必要があるのでしょうか。そういう医者は一部であって、多くの医者は真実を告げないのですが、もうステージ4で進行ガンだから、抗ガン剤をしてもほとんど効かないだろうと、実際にはわかっているのです。
だけど、医者側から申し上げますが、何もしなければ、「ほったらかされた、先生は何もしてくれないじゃないか。見殺しじゃないか。ホスピスしか行くとこないのは冷たい、何かやってください」って責められるかもしれない。
素晴らしい科学的根拠や延命の根拠がなくても、自分だけに奇跡が起きるかも知れないみたいに思うのが患者心理なのです。だから、苦しくても抗ガン剤を受ける人が多いのです。
医者も見捨てたっていう立場は取りたくない。
進行ガンの人に抗ガン剤を勧めるのは、いろんな側面があるわけです。患者さんも、偉い先生が勧めるから何かプラスがあるのだろうと。基本的に私の為に勧めてくださるのだから先生に任すしかないですよね。抗がん剤を受けるとマーカーが減るから、縮小しているように見える。でも延命はしないのはどうしてかわかりますか?
坂井:健康なところがやっつけられるからですか。
水上先生:そうです。ガン細胞も殺すし、正常細胞も殺すからです。しかも、いったん消えても5~10年後には、抗ガン剤自体によって、ガンになるかもしれない。そういう物質ですから。
坂井:抗ガン剤っていうのは発ガン物質ですか?
水上先生:もちろんそうですよ。だって、代謝を阻害する薬ですから、遺伝子も傷つけるだろうし、大変な毒ですから。
坂井:先生の場合、身体の中にガンが散っている方に対して、どういうことを言われますか。
水上先生:抗ガン剤の限界をはっきり言いますね。抗ガン剤に頼りきって最終的に裏切られたりしますから。
大病院は、助かる人を診たい、助かる見込みの無い人は、診るエネルギーありません。婉曲にそんな感じでもう来なくていいです、今のうちに好きなことをしてください、ぼちぼちホスピスの予約してくださいとか、ある日突然そういう話しになるのです。
いったん身を委ねて、手術もしてもらった、本当に神のごとく敬い、命を預けたという絶対者たる医者がある日突然冷たい人間に変身したように見えるのです。これはショックが大きいですよ。信頼感が強ければ強い程、ギャップ大きいです。あんまり信用してないと、裏切られてもどうということないですよね。でも、一生懸命に信頼していた人が突然冷たくなったら落ち込むし、一部の人は怒りを感じます。すると誰だって一生懸命自分っていう生命を守りたいから、他の方法を探すでしょう。自然療法的なことや補完療法をやっている医者の所に行ったっていうことは、西洋医学に見切りをつけたということでもあるのです。
自分という生命体についての、あるいは抗ガン剤の、現実についての、正しい知識が欲しいって言うのは、人間としての本音でもある。知りたくない部分もあるけれど、だけど、本質的な重要な所は知りたいと言うのが本音ではある。だから、ズバっと言われたらショックだろうけど、でも人間はしたたかだから、しばらく落ち込んだとしても、でも、別に何かがあるんじゃないかとお話しすると、「闘うぞ」となられます。
僕はいつも患者さんに標準治療で絶望的だとしても、でも、非標準治療があると言っています。その非標準治療で、ということは、身体に優しい自然療法的なやり方で、自分にピッタリ合う治療法は、この地上に1つや2つはあるでしょうから、一緒に探しましょうと言います。諦めちゃいけない。
僕は地球の裏側に行ったら可能性はあるかと、ドイツやアメリカにしょっちゅう行き情報を得ています。
批判的に言いますが、自分の治療法が確立されたと、それにアグラをかいている人たちは限界が有ると思います。僕は、情報が生死を決定するから、寝る間を惜しんで調べています。
病院の医師の情報は、非常に限定的で教科書しか認めないことが多い。でも、進行ガンは治せない。それについて、疑念も無いような医者に命預けるのが、僕にはわからない。非標準治療という、標準治療以外の補完医療は多いほうが良いと思います。
本物というか、それなりの根拠もあり、伝統もあり、その地域の人達に、試され、有効そうな情報を厳選した形で僕は紹介しています。そうすると、皆さん、目つきが違います。もしかしたら、あなたの体質にピッタリ合えば、奇跡が起きるかもしれない治療法がどこかにあるかもしれませんから、絶対に奇跡が起きないとは言ってはいけないと思います。
坂井:ガンの方が来られた場合、抗ガン剤の話をしていただいて、補完医療も含めて合うか合わないかというのは、どの様な形で特定していくのでしょうか。
水上先生:西洋医学は、診断能力が優れている。現時点でのガンの大きさ、ガンマーカー等は、西洋医学的にわかるわけです。また、このコンビネーションのサプリが効いているか、他の補完医療が効いているかフォローアップが簡単にできるのです。だから医者をうまく利用していただき、治療については、標準治療以外の補完医療をうまく組み合わせていただきたいのです。抗ガン剤にしても、手術、放射線も良いのだけども、必ずしも西洋医学だけでなくても補完医療が登場して良いと僕は思います。
坂井:その代替療法で進める順位というのは、どの様な形でガンの方に対して治療を行うのでしょうか?
水上先生:これはもうはっきりしています。パワフルな物の優先順位を上にします。補完医療でも、パワフルな物とジワ一っと効く物があるのです。
坂井:水上先生パワフルな物とは、どういう物なのですか。
水上先生:例えば、温熱療法です。ガン細胞は、42~43℃で死にます。直接的な熱が、ガン細胞を殺すので、パワフルです。こういう物の優先順位を上にします。
坂井:その機械は何分ぐらい当てるのでしょうか?
水上先生:約20分です。電極を当てると、ガンであれば本人もガンの部分が熱いのが分かるのです。
坂井:それはどれぐらいの頻度でするのが1番良いのでしょうか。
水上先生:このマシーンはスペイン製で、スペインでは毎日当てた方が良いと言っています。20分も当てても、ガンの塊が大きければ大きいほどガン細胞を殺すのは大変になります。また再生増殖してきますから。結局殺した細胞数と再生した細胞数の力関係なのです。縮まると言うのは、壊死している細胞が多いということです。毎日やれば理屈的には縮まります。だから、1週間に1回よりも、毎日のほうが理論的には効果があります。ただ、毎日来られないし、補完医療というのは、保険が利かないからお金が掛かります。でも、「この3ケ月が大事だから少しつぎ込んだら」と話はします。短期間にしぼって行います。
坂井:ガンは1日でも早く治すのがいいですね。
水上先生:ガンは長い年月かかって成長するものですから、焦る必要はありません。サプリはじわーですから、当然優先順位が下のほうにきます。ただ、面白いのは二者択一では無いということです。
パワフルな物は局所的にガン細胞を殺すので、それなりに良いけれど、やめた瞬間はもう効かずに、残っている物が増殖し始めます。それが、ガンという厳しい現実なのです。
しかし、サプリは、1日中じわーっと効いています。だから、組み合わせるのです。ビタミンC点滴もパワフルですから優先順位を上にします。血中濃度が高くなればガン細胞を殺します。でも、やっている間しかガン細胞を殺しません。
坂井:先生の所の治療法としては、温熱療法、ビタミンC療法をされて、サプリと食事、運動、カウンセリングによるストレスの軽減を行ってきたという感じですか。
水上先生:ホルミシス療法、リンパ球療法もしています。食事については、ガンの患者さんは、抗ガン剤で栄養も悪くなっているし、免疫も落ちているし、活性酸素も溜まっていますので、そういう状態だと、いろんな良いことをしても、空回りしてしまうのです。要するに、治癒にもって行くための基礎として指導しています。
坂井:後、何かガンの方にメッセージがあれば教えてください。
水上先生:たくさんあります。私が言いたいのは、標準治療で駄目って言われても、世界にはこれしかないってことは無いのだから、ほかの方法を探しましょうということなのです。
例えば、山に登っていて、道に迷ったのだけれど、空を見上げたら真っ暗だった。段々と夜は更けてくるし、寒いし、どこに行っていいかわからないし、遭難した状態じゃないですか、患者さんの心理と言うのは。
家族がサポートしてくれると言っても、病んでいるのは自分であって、親しい友人だって同情はしてくれるだろうが、でも自分の本当のことはわかってもらえない。このまま死んでいくのかなと思うのです。
だけど僕らが提案しているのは、このようなイメージです。山で迷った時、友達もいないし、凍え死んで、餓死するのかなと、不安でいっぱいです。でもね、よく見たら向こうに小さい光があった。僕等が提案したのは、この小さい光です。あっちに光を見出したらフラフラっと行きませんか?
坂井:行きますね。行きたくなって自分で歩きたくなりますね。
水上先生:そうでしょ。本当にちっぽけな光かもしれないけど、絶望してはいけない。必ずこの世界のどこかに自分とピッタリ合う治療法が1つか2つは有るだろう。自己治癒力をあげることで、あなたが奇跡を起こすのです。
坂井:先生からすれば、ガンは治る病気ですか?
水上先生:うまくいけば治ります。だって自分が作ったものですから。自分のライフスタイルが悪くて免疫を下げ、自己治癒力も下げてしまった。それを5~20年続けてしまった。もちろん自己責任ですよ。そういう自覚が無いのです。だから、自分で責任を取るのです。
でも、もちろん、免疫下げたのはわざとではないですよ。不本意ながらやってしまったのです。人生はミスもするし、人を傷つけるかもしれない。それが人間だと思います。だから自分が犯したミスも許してあげなければいけないなと思います。「お前って何てバカだ、こんなガンつくって」とか、これはマズイと思う。ミスを認めて、あぁそうかと、生き方がマズかったねと、マジメ過ぎたねと、休暇もとらないで、真夜中まで仕事していたねと、自分の仕事も大事だけど、命に比べたらたいしたこと無いねと。
ガンという病気は、実はその人の生き方を変えるようにというシグナルでもあるわけだから。
「ガンになったおかげで命の尊さもわかった。一瞬一瞬、感動して生きられるようになった。」そういう見方だってできる、前向きにとるのです。
だから、決して自分を責めたりしないで、これからどうしたら治るのかを探すのです。気付きを与えてくれた良いチャンスだと考えます。医者には頼らない。治すのは自分です。
生き方を変えていけば、自己治癒力上がります。そうしたら、進行は遅くなるし、うまく行けば止まるし、自己治癒力が敵よりパワーアップすれば縮まっていく。それは紙一重であっても、自己治癒力のほうが強ければ縮まり続けて縮小していきます。
進行ガンだから、諦めなさいっていうのは西洋医学の浅はかな考えにすぎません。
坂井:先生の経験からしたら、進行ガンでも治りますか。
水上先生:可能性はたっぷりあるのです。
坂井:今日は先生から、いろんな話を聞けましたので、大変参考になりました。本当にありがとうございました。
水上先生お忙しいところ、取材にご協力いただきありがとうございました。
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